乳時期に口の中に現れる病気②

◆舌に白い苔のようなもの(舌苔)

健康な時の舌の表面は、淡いピンク色をしています。

よく見ると細かい凹凸があってざらざらしていますが、それは舌の表面に、舌乳頭と呼ばれる小さな突起が

多数あるからです。

味を感じるための味蕾と呼ばれる器官の大部分は舌乳頭にあります。また舌の奥の方から手前にかけては、

舌の表面がうっすらと白っぽくなっており、これを舌苔と言います。

舌苔の表面にある糸状乳頭と呼ばれる組織に、食べ物のかすやはがれた粘膜が付着し、そこに細菌が繁殖するなど

してできたものです。体調の変化、特に風邪や熱性疾患に罹患したような場合、舌苔が厚みを増して白い物が

付着しているように見えたり、舌苔の色が変わったりします。

舌苔の付き方には個人差があり、抵抗力の有無や唾液の出方、一日のうちの時間によっても変化します。

口内炎にともなって見られることもあります。なお、ミルクを飲んだあと舌の色が白っぽく変わることがありますが、

その場合は何もしなくても唾液などで徐々に目立たなくなります。

◆萌出性嚢胞

歯が歯ぐき(歯肉)から顔を出すことを「萌出」と言いますが、歯が萌出する少し前に、歯ぐきに透明感のある

ふくらみができることがあります。このふくらみは柔らかいドーム状のことが多く、中に液が溜まっています。

淡いピンク色のこともありますが、やや青紫っぽい色をしていることもあります。永久歯よりも乳歯、特に

乳臼歯の萌出の際に時々見られます。

このふくらみを萌出性嚢胞と言いますが、一般に嚢胞という名前がついている病気の場合、ほとんどのものが

外科的に摘出しないとなくならないのに対し、萌出性嚢胞は短期間のうちに自然消滅します。

治療の必要もなく、痛みが出ることもありません。

萌出性嚢胞がなくなると、間もなく歯が萌出してきます。

◆萌出性歯肉炎

乳歯、永久歯ともに、歯ぐきから顔を出してから歯全体が見えるくらいに萌出するまでに、日数がかかります。

萌出性歯肉炎は、歯がまだ一部しか顔を出していない時期に起きやすい、歯ぐきの炎症です。

歯が生え始めている部位の歯ぐきは、一時的に歯に被さるかたちになりやすく、被さった歯ぐきの下に汚れが

入る隙間ができます。

炎症の原因は、生えてきた歯と歯ぐきの間にたまった汚れで、その中で細菌が繁殖するとはぐきが赤く腫れたり、

出血しやすくなったりします。また抵抗力が低下している場合には、腫れが大きくなって痛みを生じることがあります。

萌出性歯肉炎を予防する上での基本は、生え始めている歯の周りの汚れを、柔らかめの歯ブラシなどを使って丁寧に

落とすことですが、腫れが生じたあとに歯の萌出に気付くこともあり、腫れがひどくて痛みもあるような場合には、

患部を清潔に保つことに加えて抗菌薬(抗生物質)による治療が必要になります。

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〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-10-10若葉西ビル3階

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乳時期に口の中に現れる病気①

◆上皮真珠

生まれて間もない時期から、おおむね生後数か月くらいにかけて、直径が1㎜から数㎜位の大きさの、

光沢のある白い臼状の塊が歯ぐき(歯肉)に見られることがあります。

かたまり部分の組織が上皮由来であり、真珠に似ていることから上皮真珠と呼ばれます。

しかし実際には真珠のように硬い物ではなく、時間とともに吸収されてやがて消失します。

かたまりの大きさはさまざまで、個数についても1個から数個以上とさまざまです。

生まれる以前の時期に、歯を作る役目を担っていた組織の一部が吸収されずに残り、それがかたまり状に変化して

できると考えられています。

乳歯が生え始めるよりも前に自然に消失しますので、治療の必要はありません。

また乳歯の生え方や歯並びへの影響もありません。

また、似たような白く臼状のかたまりが口蓋(上顎の粘膜部の凹み)の真ん中に現れることがあり、それは

エプスタイン真珠と呼ばれます。

上皮真珠は比較的目につきやすい場所にできますが、エプスタイン真珠については気付かれないこともあります。

白くくっきりとした上皮真珠については、生えてすぐの歯のように見えることもあります。

◆先天性歯(先天歯)

乳歯が生え始める時期には個人差がありますが、ほとんどの場合、生後6ヶ月以降に下顎の真ん中の歯(乳中切歯)から

生えてきます。

平均は8~9ヶ月です。ところが、生まれたときにすでに歯が生えていることがあり、そのような歯を先天性歯(先天歯)

と言います。また生後1ヶ月以内に生えてきた場合に新生児歯と言います。

先天性歯あるいは新生児歯は1本だけのこともありますし、2本見られることもあります。

ほとんどは下顎の乳中切歯です。なぜ通常よりもずっと早くに歯が生え始めるかは、わかっていません。

赤ちゃんに歯が生えてくることは喜ばしいことですが、先天性歯や新生児歯については残念ながら当てはまりません。

多くの場合、これらの歯は根の形成が不十分でグラグラしており、また噛み合う相手の歯もありませんから。

歯としての役割を発揮できません。

動揺が著しい歯については、抜歯せざるを得ないことがあります。また動揺があまりない歯では、吸啜(母乳を吸う)

運動の際に舌に歯がぶつかることで舌下部に潰瘍を作ってしまうことがあります。

先天性歯の色は、通常の白色の場合もありますが、黄色みがかっていることも多く、そのような歯では正常な乳歯に

比べて表層のエナメル質の硬さが劣っています(形成不全歯と言います)。形成不全歯では、歯がかみ合うように

なった後に早く擦り減る傾向があります。

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妊娠の影響で口の中に起こる病気

妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加し、さまざまな影響を口腔粘膜や歯肉に

与えることがわかっています。

▼歯肉炎・歯周炎

もともと炎症を起こしやすい状態にありますから、通常では起こらないような低いレベルの刺激でも、

妊娠中は容易に炎症を起こします。

そのなかでも、もっとも頻度が高いのが妊娠性歯肉炎ですが、それまでにあった歯肉炎や歯周炎も重症化しやすく、

歯周炎を持っていた妊婦はそうでない妊婦と比較して早産・低体重児の出産の発現率が7倍以上であったという報告もあります。

▼エプーリス

次に、妊娠中に起こる歯肉の病気としては、妊娠性エプーリスというのが有名です。

エプーリスというのは歯肉に出来た限局性の良性腫瘍の名称で、妊娠性エプーリスの場合は、女性ホルモンの

影響によって引き起こされる炎症症状の結果と考えられます。

妊娠した女性の約1%くらいの人に起こると言われていますが、分娩後は女性ホルモンの分泌の正常化とともに

次第に消失します。

▼口内炎

また、妊娠中にもさまざまな口内炎(カタル生口内炎・口角ビラン・アフタ性口内炎)を引き起こすことがあります。

しかし、歯肉の炎症や口内炎は妊産婦でなくても発症する病気であり、妊娠によって炎症が起こりやすくなっているという事です。

これらの病気の直接的要因は、あくまでもつわり(悪阻)や嗜好性の変化などによる口腔の清掃不良や

栄養のかたよりにあると考えるべきでしょう。

基本的には口腔内を常に綺麗にしておくことです。

▼歯根膜炎、健全歯歯痛

また、女性ホルモンの影響によって、歯を支える歯周組織の再生や回復能力が低下するなどの原因で、

歯の動揺が起きたり、歯髄内の血行状態の変化によってまったく健康な歯に痛みを起こしたりすることもあります。

この症状も、出生後なくなりますから問題ありません。

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妊娠時の口腔清掃

妊娠時の歯みがきは、むし歯予防あるいは歯周病(歯周疾患)の予防にとても重要な意味を持っています。

一般的に、妊娠前まではよく歯みがきをしていた人が、妊娠したことによって生活習慣自体が変化して、

歯みがきも良い加減になってしまうことがあります。

妊娠中こそ歯・口のお手入れは慎重にしなけらばなりません。

妊娠中にむし歯や歯周病に罹ってしまいますと、産後は育児に追われて通院することもままならず、

重症になってしまうことが考えられるからです。

しかし、妊娠にともなって生じるつわり(悪阻)は臭いや味に敏感になったりすることから、

歯みがきのも努力を要する方も出てきます。

■つわりのあるときは体調の良い時間に

つわりは朝の起床時や疲れのたまった夜、あるいは食後につらくなることが多いようです。

吐き気のあるようなときに歯を磨くのは、とてもつらいことです。歯みがきは、食べた後が効果的ですが、

食べた後の辛い時を避けて、体調の良い時間を見つけることが大切です。

リラックスできるお風呂の間なども利用してみましょう。

■奥から前へかき出して磨く

つわりのある場合には、喉に近い場所は特に吐き気をもよおします。

できるだけ奥歯に歯ブラシを当ててから、前の方にかき出すように歯ブラシを動かしましょう。

■顔を下に向けて磨く

歯を磨いいたときに喉の方に唾がたまると、その刺激で吐き気が出たりすることがあります。

なるべる喉の方に流れないよう、下を向いて歯みがきしましょう。

■香料の強い歯みがき剤を大量に使用しない

妊娠中は、臭いに対して過敏になることがあります。歯みがき剤の中に含まれている香料の強い物では、

臭いを嗅いだだけで気持ち悪くなることもあります。

できるだけ、香料の強くない歯みがき剤を使用するようにしましょう。

■歯ブラシは小さ目の物を選ぼう

大きな歯ブラシを使いますと、奥歯を磨く時に喉に近い粘膜を刺激することになりかねません。

喉に近い部分に触れますと、吐き気をもよおすことになりますので、なるべく小さな歯ブラシを使ってみましょう。

妊娠後期になりますと、からだもだるくなって、横になりたいことが多くなり、何事も億劫になりがちです。

将来のことも考えて、歯みがきを省かないように頑張りましょう。

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歯周病予防の歯みがき

歯周病の予防のための歯みがきは、むし歯予防のための歯みがきとは少し違っています。

むし歯予防のためには歯の表面を歯ブラシでこすることでしたが、歯周病予防のためには歯ブラシの

毛先を歯と歯肉の境目にていねいに当てて磨くことが必要になってくるのです。

歯ブラシをペンを持つように軽く持って、横に小さく動かしながら磨いてみてください。

出血してきても、こわがらなくて大丈夫です。初期の炎症なら、2週間もすれば出血しなくなります。

ただし、もうすでに歯石が付いている場合には、歯石も除去しなければなりませんが、歯石は歯みがきでは

除去できないために、歯科医院で機械的に除去してもらいましょう。

歯科医院では、手用の器具で除去する場合と、超音波を利用した機械でj居する場合がありますが、

基本的に歯を削るのではありませんから、気軽に除去しましょう。

妊娠すると歯肉が腫れることに対する主訴が多いと書きましたが、妊娠と歯周病とは関係があるのかどうか

考えてみましょう。

第一の要因は、妊娠初期のつわり(悪阻)が原因となって、歯みがきが十分にできなくなる期間があるということです。

特に奥歯の歯みがきはつらい人が多いようです。

歯みがきができないと当然のことながら細菌数は増加してきますので、歯周病に罹りやすくなります。

妊婦さんの健診結果を見ると、前歯の炎症に先駆けて、奥歯の炎症が出現しているようです。

この結果は、つわりで奥の方が磨きにくいという状況とよく一致しています。

次に、ホルモンの影響があります。妊娠すると、胎盤や妊娠黄体からエストロゲン(卵胞ホルモン)や

プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加することが知られています。

このエストロゲンというホルモンの過剰分泌は、細胞の増殖に関与すると言われているので、

歯肉に炎症が起きると腫れやすくなくなるという事を意味しています。

また、プロゲステロンというホルモンは、過剰分泌によって血管の透過性が亢進すると言われているので、

これも歯肉の腫れなどの炎症症状に関与すると考えられます。

このように、妊娠が直接的に歯周病の原因になることではないのですが、歯周病を増悪させる要因にはなる可能性が

ありますので、お口の手入れを妊娠初期から怠らないようにすることが大切です。

妊婦さんの中には、歯肉炎がひどくなって、歯を磨こうと思っても、痛みが強く、出血も著しくなって、

まったく手の付けられないような状態になってしまう人も実際にいます。

歯周病の予防は、特に妊娠初期において大切なことを忘れないでください。

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